2008-04-12
そうだった。5年生の時に自分でそう祈ったんだ。しかも誕生日だと気づいてもらうために!
「なんだよ。20年間無駄づかいかよ。こっちだって、おめえ、いつまでもボランティアでやってらんないよ」
「あなたは誰なんです?」
「なあに、神様なんて名乗るほどの者でもないよ」
「神様なんですか?」
「あれ? わかっちゃった?」
「名乗ってるじゃないですか」
「ま、ま、ここはおれの前だからって、そんな、遠慮しなくていいから、楽しくやって」別に遠慮はしていないが、神様がそういうなら楽しくやろう。「さあ、とっとと行った行った」
「ありがとうございます」
「いいんだよ」
「じゃあ行ってきます」
「別に初詣に千円くれとか言わないからさ」
「初詣に千円入れに行きます」
「そうかい。すまないねえ」
「じゃあ」
「うん。がんばれ。うん。斜め前のヒトミちゃん、脈あるから」
「あ。そうなんですか。ありがとうございます」
「いいんだって。そんなしょっちゅうお詣りとか来なくてもいいから」
「月一回はお詣りに行きますよ」
「そうかい。すまないねえ」
こうして君はお誕生日を楽しく過ごすコツを見つけることができる。月一回のお詣りと、初詣の千円。そんなの、投資としては微々たるものだ。
(「お誕生日」ordered by hell“o”boy-san/text by TAKASHINA, Tsunehiro a.k.a.hiro)
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